【本文】「やさしい日本語」の普及のために(ニュースレター『Future+』第9号・2021年10月)

庵 功雄
一橋大学国際教育交流センター教授

主な内容:

 『容器をご持参の上、中央公園にご参集ください。』
阪神淡路大震災のときに実際に使われたものだが、多くの外国人は分からなかった。
 つぎのようでないと、非漢字圏の人には、理解されないという。
 『入(い)れるものを持(も)って、中央(ちゅうおう)公園(こうえん)に来(き)てください。』

 日本語を母語とする一般人に求められるのは、小説を書く能力でなく、考えを筋道立てて相手に伝える日本語能力である。
 日本の公的文書がやさしくならない理由の1つに、受けとる側の「難しさへの信仰」があると言われている。
 日本人にとっても、治療を受ける患者に対する説明(インフォームド・コンセント)などで問題になる。
 自動翻訳ソフトの発達で、「わかりやすく/論理的」に書かれた日本語文は、かなりの程度「わかりやすく/論理的」な英文が出力されるようになっている。

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