“女性100人アンケート”質問本文

未来を創る財団 「女性100人アンケート調査」

女性が活躍できる文化 -女性先進国へ向けて-
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働く女性たちのストレスは沸点を超えている
筆者は齢37歳。同年代の友人の女性たちに専業主婦は少なく、世代が下がれば下がるほどその傾向は強まる。40代、30代、20代では考え方も大きく異なる。
筆者以下の世代にとって、右肩上がりやバブルや年金というものは神話に過ぎず、経済は前年並みであれば良いほうであり、物価は下がるものであり、共働きはチョイスするものというより当たり前のことなのだ。働く女性たちは一様に、仕事と育児・家事の両立に苦労しており、夫の協力不足と社会インフラの未整備を嘆いている。

家庭においては親の世代、職場においては上司の世代に、いわゆる伝統的家族観は根強く残っている。働く女性が出産よりキャリアを優先したり、家事をアウトソーシングしたりすることは親たちから眉をひそめられるのが現実だ。家に帰って子供にまとわりつかれ、まわりの専業主婦と比べては、今度は、母親としても十分ではないのではないかと苦しんでいる。
こんな状況に対する若い世代の不満はマグマのように溜まってきている。
この現状は、日本特有のものだろうか?

Q1:「働く女性たちのストレスは沸点を超えている」に賛成ですか? 番号→
A1:1.賛成
2.反対
3.分からない
その他のご意見:

フェイスブックCOOが語るアメリカの状況
アメリカの政財界には女性の実力者が大勢いる。男は仕事、女は家庭という固定概念を、アメリカはとっくの昔に打破したのだろうと思っていた。この本を読むまでは。
・・母親は仕事より家庭に専念すべきだという社会通念のために、女性は損をしている。世間が「しあわせなカップル」と考えるのは、社会的に成功した夫に寄り添う妻、という形なのだ・・シェリル・サンドバーグ『LEAN IN(リーン・イン)』(日本経済新聞社)。
サンドバーグのような大出世がある点で、日本と比べれば相当大きな差があるかもしれないが、「社会的に成功した夫に寄り添う妻」モデルは日本とそっくりに映る。

・・アメリカでは、子供のいる夫婦の約65%が共稼ぎで、その大半が二人の収入で家計を支えている。子供のいる共稼ぎ夫婦は、父親も母親もやることが多すぎるというのに、さらに母親は、残酷な質問や非難がましい視線に耐えなければならない。実際には立派な仕事をしている女性の大半が、自分は基準に達していないのではないかと始終不安を抱えている。仕事場では、家事や育児の負担の少ない男性の同僚と自分を比べる。家庭では、専業主婦と自分を比べる・・

Q2:アメリカの現状は日本と似ているとするこの見方に同意しますか? 番号→
A2:1.そうだと思う
2.そうだと思わない
3.分からない
その他のご意見:

なぜ男は仕事で女は家庭なのだろう?
男女をまったく同一視する考え方に違和感を持つ人は多い。日本社会の多数派を形成している。人類学者のジャレド・ダイアモンドの『人間の性はなぜ奇妙に進化したのか』(草思社)に、「男はなんの役に立つか?」という印象的な章がある。
ダイヤモンドは、男は役に立たないという結論を出すことは避けているが、愛し合っている共働きのカップルでさえ女性が仕事・育児・家事という義務に割く時間は夫の2倍だと指摘しつつも、まだまだ研究が途上であり、「男は何の役に立つのかという疑問は、人類学者の間ではもとより、われわれの社会でも論じつづけている」と締めくくっている。

Q3:男女の扱いについて 番号→
A3:1.条件抜きで同一であるべきだ
2.基本的には同一であるべきだが、男女の特性に考慮した結果的平等が望ましい
3.良くも悪くも男女差は生じる
4.分からない
その他のご意見:

それでも日本社会は女性を活用する
筆者は長期的に見れば、日本はこの問題を解決するだろうと楽観視している。アメリカよりうまく解決するかもしれない。日本社会は、べき論では動かないが、そうするより仕方ないというところまで追い詰められれば、驚くべき変化を見せてきた。
日本は少子高齢化、人口減の最先端にいる。外国人労働者ではとても埋め切れない急速な労働人口の減少がもう始まっている。放っておいても、女性を労働力として活用する方向に向かう。あとは社会変革のスピードの問題だ。

Q4:この楽観論を肯定しますか? 番号→
A4:1.(時間はかかっても)やがてそうなる
2.日本は無理だと思う
3.分からない
その他のご意見

女性の進出をもっとも阻んでいるのは何か
非生産的な長時間労働主義。このあり方を続ける限り、どう考えても育児と仕事は両立できない。サンドバーグの『LEAN IN』には、これも、決して日本特有の問題ではないことが描かれている。
・・それでも、成果でなく勤務時間の長さで社員を評価する旧態依然の習慣はいまだに消えない。そのせいで、多くの社員ができるだけ効率よく結果を出そうとせずに、長時間オフィスで過ごしている。5時半帰宅を公に認めたことは、驚くほど大きな反響を呼んだのだった。もっと地位の低い女性にとっては、5時半帰りを要求したり公言したりするのは、はるかに困難だ。ほとんどの職場でフレックスタイムが認められるようになるまでには、まだまだ時間がかかる・・

Q5:諸国に比べ女性の社会進出が少ないと言われています。その原因は?(複数回答可)
番号→
A5:1.育児と両立しない
2.勤労に応じた報酬が得られない
3.長時間労働
4.男は外で仕事、女は家庭でという文化、考え方に根差す
5.その他の理由(以下に記載してください)
その他のご意見:

長時間労働主義の背景にあるのは何だろうか
多くの日本企業において、成果を測定することからいまだに逃避していることに根本の原因があるのではないか。
先般、ホワイトカラーエグゼンプション導入をめぐる議論が盛り上がった。ここに来て、旧態依然とした大企業の没落と、人手不足が同時に発生し始めたことは大きい。人口減のなかで優秀な人材を確保し生産性を上げていくには、多様な人材の個別的事情に配慮し、短時間勤務やテレワークなど、様々な手法を駆使していくことが求められる。育児が落ち着いたのでもう一度働きたい、でも仕事がないと嘆く優秀な女性は大勢いる。このような人材をうまく活用できる企業こそが勝ち残るだろう。

Q6:諸国に比べ長時間労働が多いと言われる原因について(複数回答可) 番号→
A6:1.先に帰りにくい職場の雰囲気
2.残業代のため
3.長時間勤務しないとこなせないほどの仕事量
4.生産性の悪い勤務環境
5.その他の理由(以下に記載してください)
その他のご意見:

解決にむけて
人材獲得競争が持続的に起きれば、自然に問題は解決するかもしれない。政策論としては、アベノミクスを継続して経済の底割れを防ぎ、人手不足状況を持続させること。民間側の取り組みとしては、人材活用のうまさを何らか指標化し、企業の生産性向上を促すこと。そのようなことがなされれば、女性が仕事でも大いに活躍する社会を、スムーズに実現できるのではないか。「管理職3割を女性に」といった数値目標は、やはり形だけに終わり、弊害のほうが大きいように思われる。

Q7:女性の進出への解決策として有効と思われるものは?(複数回答可) 番号→
A7:1.人手不足
2.数値目標
3.法的義務化
4.企業の生産性向上
5.社会の意識改革
6.その他の理由(以下に記載してください)
その他のご意見:
質問は以上です。ありがとうございました。
差しつかえなければお答えください。
勤務経験:1.あり 2.なし 答え:
その他「女性が活躍できる文化」についてのご意見があればお願いいたします。
(ご意見)

お問い合わせは:未来を創る財団パブリック・コミュニケーション担当

abrighterfuture@theoutlook-foundation.org
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執筆者紹介:

大江 紀洋(おおえ・のりひろ)
月刊『Wedge』編集長兼WEBマガジン『WEDGEInfinity』編集長

1977年奈良県生まれ。
2006年よりウェッジ編集部に所属し、主に製造業、エネルギー、医療などを担当。09年に『WEDGEInfinity』を立ち上げ、11年より現職。『Wedge』の主たる読者層はビジネスや政治・行政の最先端を生きる知的エグゼクティブ。読者の好奇心を満たすタイムリーなテーマに対し、1989年の創刊以来掲げてきた「事柄の本質を見極める」という編集方針で深掘りしていくのがモットー。企業も国も大きな曲がり角を迎え、制度疲労を起こしている時代だからこそ、世論や風潮に流されることなく、本質を捉えた建設的な提言を行う姿勢を貫いていく。現在、編集部員は全員30代以下に若返っており、世界最先端の少子高齢化を生き抜く世代として、日本の未来に対する責任を意識した情報発信に努めたいと考えている。

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